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CEES Rocket Project とは
本センターでは、衛星開発と並行して、実際のロケット開発で行う、設計・製作・試験・打上げ・データ解析を経験・習得すること目指して、CEESロケットの開発を行っています。2015年3月29日の加太宇宙イベントにて、最新機CEES-4Aが打ち上がり、完全な機体の回収とCanSatの放出に成功しました。 |
CEES Rocket とは
CEES Rocketは、推進剤に液体窒素、加熱剤に温水を用い、液体窒素を温水により気化させることで推進力を得て飛行する非燃焼型小型ロケットです。
このロケットは燃焼過程を一切ともなわないため爆発などの危険性がなく大変安全です。また、使用する液体窒素、水はともに大学で安価に、そして容易に入手でき経済的です。 さらにロケットから噴射される物質も気化した窒素ガスと水で環境性にすぐれています。
ちなみにCEESの意味はこのロケットの特徴である極低温の”C”ryogenic、経済性の”E”conomical、環境性の”E”cological、そして安全性の”S”afeの単語それぞれの頭文字をとったものです。
近年、多くの大学で宇宙工学教育のプログラムの一環として、小型衛星やCan-Sat(模擬衛星)の開発が行われています。しかし、ロケットの研究は少ないのが現状です。この理由の1つとして、ロケットの燃焼過程に起因する爆発や、使用する燃料の引火による事故の危険性が挙げられます。そのような中、CEESロケットはその原理上、大変安全性が高く、さらに、このロケットのシステムはH2Aロケットといった、実際の液体ロケットのシステムに準じているので、上空へ運ぶペイロードも搭載可能なことから、液体ロケットの基礎を学ぶ上でも優れています。また、本小型ロケットはCan-Satの他、二酸化炭素の濃度測定や雷観測において低高度への観測機投入にも役立つと考えています。CEESロケットの改良、打ち上げ試験を重ね、安全で安定した打ち上げが可能な観測機打ち上げやCan-Sat打ち上げに利用する非燃焼型ロケットによる教育用ロケットの実用化を目指しています。 |
CEES-1A
2005年に開発された非燃焼型エンジンを使用した初の実証機
目標であった高度60 mに到達(世界初)、その後パラシュートが開かず自由落下で墜落。
非燃焼型エンジンを使用したロケットの世界で初めての成功であった。 |
CEES-2A
CEES-1Aの成功で非燃焼型エンジンの性能が実証されたことから、2006年にCan-Sat放出用の小型ロケットとして開発された2号機。
目標高度は150 mであったが、打ち上げ試験では推力不足でCan-Satを載せたまま30m到達後墜落、失敗に終わった。 |
CEES-3A
CEES-2Aの失敗の反省をもとに開発された新型機。上空でのCan-Sat放出と高度200 m到達を目標にSSSRCが開発に本格参入した機体。
打ち上げ試験においてもCan-Sat放出には失敗したが、高度202 m到達、パラシュートでの回収に成功した。CEESロケットの到達高度の記録を大幅に伸ばした。 |
CEES-3B
CEES-3Aの機体をさらにバージョンアップ(最適化)したCEES-3シリーズの2機目。上空でのCan-Satの放出と高度350 m到達を目指しSSSRCがCEES-3Aに続きフェアリング部を主体となって開発。
打ち上げ試験ではエンジンに不備があり高度50 m到達後大きく傾き墜落、失敗に終わった。 |
CEES-3C
CEES-3Bの失敗の反省をもとに改良を施しリベンジを目指すCEES-3シリーズ3機目。コンセプトは「より安全に」「より確実に」。上空でのCan-Sat放出と高度350 m 到達を目指し開発がすすめられていたが、射場の都合で噴射実験のみで開発終了。 |
CEES-4
CEES-3Cの欠点は乾燥重量が重く、ランチャ離脱速度が遅いことだった。この欠点を解消するため、窒素ガスを温水タンクと液体窒素タンクに封入し、タンクを一つ減らすことで大幅な軽量化を実現した。CEESプロジェクト2回目の高度200 m到達を目指す本機は、先祖帰りとも言えるデザインで再び大空を目指す。2013年3月に和歌山県和歌山市コスモパーク加太にて打ち上げを行い、高度280mに到達した。 |
CEES-4の性能・仕様
全長 |
2.3 m |
乾燥重量(推進剤, CanSat(180 g)非搭載) 全備重量(推進剤, CanSat搭載) |
10.4 kg 14.2 kg |
最大推力 |
503 N |
推進時間 |
2.7 s |
到達高度 |
282 m |
主な搭載機器:
気圧センサ(MPL115A2) , GPS(UP-501)
3軸加速度・ジャイロセンサ(IMU6DegreesSEN-10121)
無線機×2(Xbee-Pro ZB) , SDカード |
CEES-4A
「機体の完全回収」をテーマに、大型CanSatの搭載やパラシュート開傘の確実性に重点を置いて開発した最新機。2015年3月コスモパーク加太で打ち上げ、高度215mに到達後、パラシュートによる回収に成功した。初めて上空でのCanSat放出を達成した機体となった。 |
CEES-4Aの性能・仕様
全長 |
2.47 m |
乾燥重量(推進剤, CanSat(1.0 kg)非搭載) 全備重量(推進剤, CanSat搭載) |
12.1 kg 17.5 kg |
最大推力 |
650 N |
推進時間 |
3.3 s |
到達高度 |
215 m |
主な搭載機器:
気圧センサ(LPS331AP) ,
加速度センサ&ジャイロ&地磁気センサ(MPU-9150)
無線機×2(XBee-Pro ZB) , microSDカード |
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