*アマチュア無線運用情報*

アマチュア無線機・府大太陽センサデータの見方

初回更新:2009年3月25日 最終更新:2009年10月17日

今年卒業された執筆者に変わり、FSS担当になりました礒野(B4)です。
まだFSSを任されて日が浅く、勉強不足で至らない点があるかと思いますが、どうか温かい目で見守ってくだされば幸いです。

アマチュア各局の皆さまより、着々とデータが届いております。どうもありがとうございます。

アマチュア無線家の皆さんが取得されているデータと、府大での受信データとの食い違いの
原因が分かりました。ページ下段の[追記]にて解説します。

09/10/17(NEW!)

HTRXテレメトリの換算方法に訂正がありました。

無線機からのデータは「バイナリデータ」が基本です。一部(呼出符号・メッセージなど)はASCIIコードで書いてあります。
よって、一部はバイナリ→ASCIIの変換によって、文字として認識することができます。

現在、アマチュア無線機は以下のモードで運用しています。そして、以下の名称のデータが下りてきます。

モード名称
HTX_ON(アマチュア無線機ON)時のモードHTRXテレメトリ
FSS_ON(府大太陽センサON)時のモードFSSテレメトリ(スタンバイ)
FSSノーマルモードFSSテレメトリ(ノーマル)
FSSメッセージモードFSSテレメトリ(メッセージ)
FSSスタンバイモードFSSテレメトリ(スタンバイ)
FSSハイモードFSSテレメトリ(ハイモード)


HTRXテレメトリ

HTRXテレメトリは、「HTXがON」かつ「FSSがOFF」のときに表示されるテレメトリです。つまり、HTXをONにした時に出てきますし、FSS_OFFとなった後、HTX_OFFとなるまで出てきます。テレメトリの内容は次の通りです。(表記のないものはすべてバイナリの数値データ)

アドレス内容換算方法 [単位]
00〜13コールサイン (ASCII)
TNC設定によっては表示されないこともあり
 
 バイナリデータ(0x03) 
 バイナリデータ(0xF0) 
14テレメトリID (バイナリデータ:0x01) 
15〜16HTRXカウンタ(15:上位 16:下位) 
17HTRX動作フラグ備考参照
18RSSI114(0x72)で約 0 [dBμV]
183(0xB7)で約 20 [dBμV]
19HRX(受信機)消費電流テレメトリ値×0.0109 [A]
20HTX(送信機)消費電流テレメトリ値×0.0109 [A]
21未使用 
22TNC消費電流テレメトリ値×0.0109 [A]
23FSS消費電流 (訂正) テレメトリ値×0.00136 [A] 
24FSSステータスHTRXテレメトリに格納される
FSSデータは、FSSの電源が
入ってない時は、最後にFSS
から受信したデータが入る。
25FSSカウンタ値
26FSS角度データ
27〜28CCU(中央制御ユニット)時刻現在:0xFF
29〜60CCUテレメトリ 
61〜62FCS 

備考:HTRX動作フラグについて

ビット数内容
bit0(LSB)受信機が電力を検出しているとき1
bit1HTRXに電流が流れているとき1
bit2HTXに電流が流れているとき1
bit3未使用(0x00)
bit4TNCに電流が流れているとき1
bit5FSSに電流が流れているとき1
bit6リセットコマンド1が受理されているとき1
bit7(MSB)ストアードコマンドがあるとき1

以下にテレメトリのサンプルを挙げます。[()内はTNCの設定によっては表示されない/異なる場合があります]
(94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 03 F0) 01 01 28 17 40 00 53 00 19 00 00 00 00 FF FF 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00

初めのコールサインの部分はAX.25プロトコルの仕様により、1bitずらしたASCIIコードで書かれています。例えば、アドレス00の16進数"94"は2進数では"10010100"ですが、文字としてはこの下位1bitを消去した2進数"1001010"とし、16進数に直すと"4A"となり、これをASCIIコード表(参照:IT用語辞典など)と対照すると、"J"と読むことができます。このように訳していくと、初めの14文字は"JL3YUK0JL3YUS0"となります。前半が送信先の呼出符号、後半が送信元の呼出符号ですから、「JL3YUSからJL3YUKへ」ということになります。


FSSテレメトリ(スタンバイ)

FSSテレメトリ(スタンバイ)は、FSSがONになった時に最初に表示されるテレメトリです。これは、他のモードに変化するまで連続して送信されます。また、FSSスタンバイモードの指令を送った時にも表示されます。

アドレス内容
00〜13コールサイン (ASCII)
14テレメトリID (バイナリデータ:0x02)
15FSSモードステータス(バイナリデータ:0x00)
16FSSカウンタ
17〜80バイナリデータ:0x00
81バイナリデータ:0x00
82Check SUM(アドレス15〜81までの合計)
83バイナリデータ:0xFF
84〜85FCS

以下にテレメトリのサンプルを挙げます。[()内はTNCの設定によっては表示されない/異なる場合があります]
(94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0) 02 00 03 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 06 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 03 FF


FSSテレメトリ(ノーマル)

FSSテレメトリ(ノーマル)は、FSSノーマルモードの指令を送った時に表示されます。アルゴリズム1とアルゴリズム2がありますが、これは影の中心の調べ方に違いがあります(日を改めて解説します)。これには平行に並んだ64個の素子の光の強さを表すデータが格納されています。

アドレス内容
00〜13コールサイン (ASCII)
14テレメトリID (バイナリデータ:0x02)
15FSSモードステータス(バイナリデータ:0x40〜0x7Fまでのいずれか)
16FSSカウンタ
17〜80受光素子データ(0番目〜63番目)
81影の中心の受光素子番号
82Check SUM(アドレス15〜81までの合計)
83バイナリデータ:0xFF
84〜85FCS

以下にテレメトリのサンプルを挙げます。[()内はTNCの設定によっては表示されない/異なる場合があります]
(94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0) 02 71 5E 2B 2C 28 29 29 29 26 29 27 2A 29 2A 28 2A 29 2A 29 28 27 29 25 28 28 2A 28 17 08 07 07 07 07 07 07 08 07 08 08 29 29 2B 2B 1C 2C 2D 2B 2D 2C 2E 2D 2F 2F 31 31 35 35 3A 3A 3E 40 45 48 46 4A 4E 1F E7 FF


FSSテレメトリ(メッセージ)

FSSテレメトリ(メッセージ)は、FSSメッセージモードの指令を送った時に表示されます。これにはASCIIコードで書かれた65byteのメッセージが格納されています。メッセージは4種類あり、順番に表示されます。

アドレス内容
00〜13コールサイン (ASCII)
14テレメトリID (バイナリデータ:0x02)
15FSSモードステータス(バイナリデータ:0xC0)
16FSSカウンタ
17〜81メッセージデータ(ASCII)
82Check SUM(アドレス15〜81までの合計)
83バイナリデータ:0xFF
84〜85FCS

以下にテレメトリのサンプルを挙げます。[()内はTNCの設定によっては表示されない/異なる場合があります]
(94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0) 02 C0 5E ないしょです☆受信してください♪ E7 FF


New!(7/7)

FSSテレメトリ(ハイモード)

FSSテレメトリ(ハイモード)は、FSSハイモードの指令を送った時に表示されます。ハイモードは1分間実行され、1秒に5回出力します。しかしハイモードはノーマルモードと違いデータはすぐには出力されず、いったん衛星内に保存されます(このとき衛星の送受信機はデータ保存のため黙りこみます。そして1分後にHTRXテレメトリが送られてきます。)。そして、保存データ読み出しコマンドを送信して初めてデータをダウンリンクすることができます。なお、保存データはHTRXがOFFになっても保存され続けます。

アドレス内容
00〜13コールサイン (ASCII)
14テレメトリID (バイナリデータ:0x04)
15アドレス上位
16アドレス下位
17データサイズ(Byte)
18FSSモードステータス(バイナリデータ:0xA0,0xB0のいずれか)
19FSSカウンタ
20〜83受光素子データ(0番目〜63番目)
84影の中心の受光素子番号
85Check SUM(アドレス18〜84までの合計)
86バイナリデータ:0xFF
87〜88FCS

以下にテレメトリのサンプルを挙げます。[()内はTNCの設定によっては表示されない/異なる場合があります]
(94 98 66 B2 AA 96 60 94 98 66 B2 AA A6 61 C3 F0) 04 00 45 45 A0 50 32 2F 30 2F 2D 2F 30 2D 30 2E 30 2F 30 2F 30 2F 2E 2E 2F 2E 2F 10 08 07 07 07 07 06 07 07 07 08 28 2E 2F 2F 30 2F 32 31 33 31 31 30 33 32 34 31 33 34 36 36 3A 3B 3F 3F 43 45 49 4D 4F 4E 53 55 1B 8B FF

FSSデータの読み方について(2009.7/7更新)

(FSSモードステータスの部分を更新しました。)

アマチュア無線家の皆さんが取得されているデータと、府大での受信データとで食い違っているところがありました。

そこで、アマチュア無線家の方達が受信されたデータの読み方について解説します。

[2009/03/31 13:10:55R] 4A 4C 33 59 55 53 3E 4A 4C 33 59 55 4B 20 3C 55 49 3E 3A 02 71 52 1E 1A 1B 1B 1B 1B 1C 1A 1C 1B 1D 1B 1D 1C 1D 1C 1C 1B 1C 1A 1B 1B 1D 1B 1D 1C 1C 1C 1D 1C 1D 1D 09 06 07 07 08 07 09 08 09 09 09 08 0B 18 21 20 22 22 24 24 27 28 2D 2D 32 33 37 3B 3D 3D 41 44 26 32 FF 0D 0A

これは、たくさんのアマチュア無線家から送られてきたFSSバイナリデータの一部です。

先頭部分の 4A 4C .... 55 4B の部分は、ASCII変換によりJL3YUS>JL3YUK という呼び出し符号になります。

そして、テレメトリIDの"02" 以降を、そのまま変換せずに読んだものがFSSのデータとなります。
FSSのデータは、モードステータスから終了ビットまでの69個のバイナリデータから構成されています。
見やすくするために、各バイナリデータに番号を付けて表にしてみました。

W0 W1 W2 W3 W4 W5 W6 W7 W8 W9 W10 W11 W12 W13 W14 W15 W16 W17 W18 W19 W21 W22 W23
71 52 1E 1A 1B 1B 1B 1B 1C 1A 1C 1B 1D 1B 1D 1C 1D 1C 1C 1B 1C 1A 1B
W24 W25 W26 W27 W28 W29 W30 W31 W32 W33 W34 W35 W36 W37 W38 W39 W40 W41 W42 W43 W44 W45 W46
1B 1D 1B 1D 1C 1C 1C 1D 1C 1D 1D 09 06 07 07 08 07 09 08 09 09 09 08
W46 W47 W48 W49 W50 W51 W52 W53 W54 W55 W56 W57 W58 W59 W60 W61 W62 W63 W64 W65 W66 W67 W68
0B 18 21 20 22 22 24 24 27 28 2D 2D 32 33 37 3B 3D 3D 41 44 26 32 FF


なお、W0〜W68の数値は全て16進法(0x_ _)になっています。

W0:FSSモードステータスです。モードの種類は以下のようになっています。

00:スタンバイモード
5_ or 4_:ノーマルモード(5は日照時、4は日陰時)
7_ or 6_:ノーマルモード_アルゴリズム2
C0:メッセージモード
アンダーバーの部分には閾値レベルが入り、_に入る数字を n とすると、
閾値=5+8×n
閾値は出力値から影があるかどうかを判別するのに用います。出力値が閾値より低いと処理部が"ここからは影の部分だ"と判断します。
※アルゴリズム1とアルゴリズム2の違い
アルゴリズム1ではこちらからの送信コマンドで閾値を変えることができます。
アルゴリズム2では閾値が自動設定されるので、こちらから変更することはできません。

New!(7/7)

FSSモードステータスについて

   
上位ビット下位ビット
bit7(MSB)bit6bit5bit4bit3bit2bit1bit0(LSB)
FSSモード(※1)アルゴリズム(※2)太陽プレゼンス(※3)閾値レベル(0〜F)

※1:FSSモードは以下の様にして決まる。

FSSモードステータスbit7bit6
FSSスタンバイモード00
FSSノーマルモード01
FSSメッセージモード11
FSSハイモード10

※2:アルゴリズム1の時は0、アルゴリズム2のときは1。
※3:太陽プレゼンスは太陽光を感知した(明るい)時に1、感知しない(暗い)時に0。

W1:FSS のカウンタ値になります。ノーマルモードは出力が1Hzなので、1秒に1ずつ増えていきます。
FFまでいくと再び00に戻ります。

W2〜W65:受光素子の指示値になります。日照時(モードステータス5 or 7),この数値を16進数→10進数にして、横軸にナンバー、縦軸に変換した指示値をグラフにすると、一部が凹んだような形になると思います。



グラフの一例


W66:受光素子にできた影の中央に位置する素子No.を表示します。この数値は、No.0〜No.63まである受光素子の番号を示しており、受光部にできた、影の中心がある番号を表しています。
地上試験で太陽光の入射角に対応した素子番号を測定しているので、このデータから太陽光入射角が決まります。ちなみに、ここがD0の場合は暗すぎる、DFの場合は明るすぎることを示しています。


W67:チェックサムになります。W0〜W67までの数値を足し合わせて、下2桁を表示します。

W68:終了ビットです。この部分は必ず"FF"になります。

*補足*
メッセージモードでは、受光素子指示値データのところに、メッセージが入ります。上の表にある通り、ASCIIに変換してみてください。すると、、、

[追記]

アマチュア無線家の方々が取得したデータと府大で取得したデータの食い違いについて

府大では、データ送受信をハードウェアTNCのPK-12で行っています。PK-12の設定では、"trace on"コマンドにより、パケット受信の際にヘッダー部分とフッター部分を表示するようにしています。その方が、FSS受信データからコマンド送信が成功したかどうかの確認がしやすかったからです。アマチュア各局から送って頂いたものは、データ部分のみであったために、このような受信データの食い違いが生じてしまいました。皆様にはご迷惑をお掛けしました。



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